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《講演録》縮小市場でどう戦う?零細ミシンメーカーが選んだ生きる道【後編】

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《講演録》2021年6月28日(月) 開催
縮小市場でどう戦う?零細ミシンメーカーが選んだ生きる道

話し手:山﨑 一史氏(株式会社アックスヤマザキ 代表取締役)
聞き手:山崎 大祐氏(株式会社マザーハウス 取締役副社長)

株式会社アックスヤマザキは創業75年目のミシンメーカーであり、山﨑一史氏が2015年に3代目社長として就任した。業績不振下での事業承継でありながらも、自らの知恵と工夫によって、既存取引先への依存度の高いOEM事業主体から脱却し、コロナ禍においてもヒット商品を次々と生み出す製品開発企業へと生まれ変わった。その裏側にあった、商品開発秘話とリアルな経営改革ストーリーについて、株式会社マザーハウス代表取締役副社長の山﨑大祐氏が聞き手役となって迫る。

<最初から読む>
《講演録》縮小市場でどう戦う?零細ミシンメーカーが選んだ生きる道【前編】

 
【第二部】縮小市場に負けない!
~零細ミシンメーカーが選んだ生きる道~

山崎(大):ここからは、新規事業をどう進めたか、既存事業をどのように改革していったかについて具体的にお伺いしていきます。

 
◉先代社長との考え方のズレ、怒りをかった子ども向けミシン

山崎(大):まずは、アックスヤマザキに入社されて、最初に苦労したことは何ですか?

山崎(一):当時、経営に関する知識やノウハウがあったわけではありません。何か言われるんじゃないかと過剰に人の目ばかり気にしていたような気がします。無茶をやるにしても、どこまでならやっていいかの判断基準すらありませんでした。生来、私自身は面白いことを言いたい・やりたい、というタイプの人間なんです。それなのに人目を気にして面白いことに踏み切れない自分にものすごくもどかしさを感じていました。

山崎(大):先代社長と経営の話をすることはありましたか。

山崎(一):経営というよりは営業の話でしたね。父は販路開拓さえすれば売上げは上がるはずだ、売上げが足りないのは営業の言い訳だ、という考えを持っていました。私は販路開拓を進めながらもいつも爪先で立っているような、風が吹いたり、誰かに押されてしまったりすればすぐに倒れるんじゃないか、という不安でいっぱいでした。

ただ、父自身も既存のやり方ではいけないことは自覚していました。でも何をすればよいのか見えていないからこそ、ずっと同じやり方を続けていたのかもしれません。

山崎(大):方向性が見えてきたのが2012年の子ども向けミシンの構想ですね。

山崎(一):「大逆転戦略」を社内でプレゼンしたんですが、父は「会社をつぶす気か」と激怒して、書類を投げて部屋を出て行ってしまいました。その場にいた全員固まりましたよ。

山崎(大):どのように説得したんですか。

山崎(一):最後まで父は反対していました。認めてくれたのは本当に最近になってからで、「在庫は大丈夫なのか」と心配してくれることもあります。

山崎(大):簡単には認めたくない、という気持ちもあったのかもしれないですね。


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